膝シリーズ ➁

膝の外傷(スポーツ外傷)とは、アクシデントや交通事故など、膝に瞬間的に大きな力が加わり、
膝の骨折や脱臼、打撲や捻挫などが単独、又は複合して損傷します。


膝の外傷は特にスポーツの中でも、サッカーやラグビー、格闘技などの
コンタクトスポーツで相手に蹴られたり、スライディングやタックルをされたり、
相手との接触プレーによって受傷する場合や、バレーボールやバスケットボール、スキーなどでの
ジャンプの着地、急なストップや方向転換など膝に大きな捻りが加わる事によっても起こります。


膝関節は主に四つの靭帯(前十字靭帯、後十字靭帯、内側側副靭帯、外側側副靭帯)により構成され、
特に膝の靭帯損傷の中で多く発生するのが前十字靭帯の損傷です。





診断としては、怪我や事故の際の状況を確認し、徒手検査で膝の不安定性を調べ、更にレントゲンや
MRI検査などの画像検査で靭帯の状態を確認して診断を下します。
複数の靭帯の損傷や半月板なども含めた合併症の可能性がある場合、損傷のより詳しい状況を調べる為に
内視鏡検査を行なう事もあります。


靭帯損傷の治療は症状の重さに応じて、手術と保存療法に分けられます。


損傷の程度が経度であったり、回復の早い成長期であったり、怪我からあまり時間の経っていない
状態であれば、膝をギプスやサポーターなどの装具で固定する装具療法を中心とした保存療法を行ないます。


整形外科にて手術が必要となるのは、靱帯断裂や半月板などの周辺組織も損傷しているような複合損傷で
保存療法では膝の不安定さがなくならず普段の生活やスポーツに支障がある場合などです。


靭帯は完全に切れると自然に再生することは期待できないので、手術は膝周辺の腱を切り取って
靭帯の代わりにする再建手術が行なわれます。


靭帯損傷は、スポーツ中などの急性外傷として発症する事が多く、突発的なものなので
完全に予防するのは難しいですが、スポーツ中の膝への負担を減らして怪我の確率を下げる事や
膝以外の股関節など使った動きを習得したり、足だけでなく腹筋や背筋、体幹インナーマッスル
強化したりするなどの方法が有効です。





リハビリには長期を費やす為、段々と疎かにしがちですが、しっかりと目標をたて、一歩ずつ頑張りましょう!